今回の記事では,末岡が取り組んでいる水中ロボットの研究について紹介します.
まず,第1回として「魚型ロボットの研究をどうスタートするか」について紹介します.
研究のきっかけ
私が魚型ロボットを研究するきっかけとなったのはもちろん「魚」です.
「なぜ,魚は水中を自由に泳げるのか?」,「魚たちは水をどのように感じて,行動しているのか?(波をどう感じているか?)」に疑問を抱いたからです.
そして,この疑問を魚型のロボットを作ることで魚の凄さを理解しよう!と思いました.
魚型ロボットの研究背景
現存の魚型のロボットは,実際の魚が示す俊敏性の足元にも及びません.
それには「魚のような筋肉がない=人工的ないいアクチュエータがない」ことが代表的な理由として挙げられると思いますが,他にもたくさんの要因があると考えています.
魚の身体構造はどのように設計すべきか?水を捉えるセンサ機能をどのように設計するかなどでしょう.
まずは,魚の動きを模倣する
まず,魚型ロボットの設計に入りました.
実際の魚の推進方法は以下の3つだと言われています.
(a) うなぎ型,(b) アジ型,(c) ハコフグ型です.
ここでは,(b) アジ型に着目して研究を始めることにしました(最も一般的な魚の動きです!)
魚型ロボットを作るにあたって
魚型ロボットの2つの関節を動かすことでロボットを駆動する
具体的にロボットの設計を始める
ここから,ロボットの具体的な設計を進めていきます.
実際にCADで設計したものが以下です.
CADでロボットの駆動部を描く
サーボモータ2つ(水色)を使ってロボットを製作する.赤色がヒレです.
ただし,これまで水中で動くロボットを設計した経験がなかったので,水中でも動くモータや,コンピュータやバッテリなどのデバイスを防水する機構の設計から始める必要がありました.
その際に選定した部品がこちらです.
- 防水サーボモータ(HS-5646WP, Hitec Multiplex Japan)
- 防水ケース(AD12-8-6, タカチ電機工業)
- 防水コネクタ(THB387E, タカチ電機工業)
実験:水中で動かしてみた
これまでの話をまとめた動画を作りましたので,以下よりお楽しみください.
今後の予定
第1回は,「魚型ロボットの研究をどうスタートするか」という準備段階を紹介しました.
第2回は,「ロボットの設計と遊泳実験」について紹介する予定です.
謝辞:本研究を進めるにあたり,当時の学生:橋本雄大くん,松江高専 中西大輔先生,大阪大学 大須賀公一教授に大変お世話になりました.