研究コラム:ロボットは世界をどう捉える?

ロボットは人が設計できる

ロボットは世界をどう感じるのだろうか?

ロボットは人が設計することができるため,からだの形も,からだの動かし方,すなわち脳も人がつくることができる.自動車のように車輪を使うことも,人のように脚を使うことも許される.

また,水の中では,魚のようにヒレを使うという別の選択肢がある.

あるからだを我々がロボットに与えたとき,そのからだで実環境をどう捉え(感じ)ているか,動きながらロボットは動きにくさを感じているのか,作ったロボットが世界をどう捉えているかは,ロボットを実際に動かすことで初めて理解できる.

人のように目は,耳は,脚は必要か?人の当たり前は,ロボットに必ずしも当てはまらない.

答えは作らないと見えない

ロボットを作ると意外なことに気づく.

例えば,魚ロボットを作って水中を泳がしてみると,ロボットが自分のからだのしなり具合から水の中を効率的に動く方法を見つけ出せることがわかった.

移動ロボットは目がなくても,ロボット同士の衝突から,ロボットがどれだけこの辺で働いているかわかる.情報交換にも,光や匂いなど別のデバイスにも代替できる.

ロボットが多数存在する場合,ロボットに色をつけることで,行動の設計法の幅が大きく広がることがわかった.多様性はやはり必要なのだろうか?

色々なロボットを実世界で動かしていくと,そのロボットが世界をどう感じているかが分かる.そして,それは,実は生物がどう世界を捉えているかを理解することにもつながるかもしれない.

以下の動画に登場するロボットは全て末岡と指導学生で作ったものです.

これからやりたいこと

1. 殻で覆われたロボットは,2. 皮膚が柔らかいロボットは,3. 成長するロボットは世界をどう感じるのか?を明らかにしたい.

  1. 外殻を覆った転がりロボットは,世界をどう見るといいだろうか?転がりロボットは,カメラ(眼)を搭載しにくいため,人と全く違った感覚が必要となる.どんなセンサで,どんな判断をするべきなのか,ロボットを作って解明したい.
  2. これまでのロボットは基本的に硬い素材で世界と接してきた.ロボットの表皮が柔らかくなると力学的なやりとりは感覚器官を通じてどのように変わっていくだろうか,柔らかい皮膚で物体と世界と接することで,行える作業が増えるのか,全く異なる感覚が必要なのか,解明したい.
  3. ロボットの形や重さ,サイズが徐々に変わっていくと,ロボットの世界の感じ方はどのように変わるのだろうか.例えば,次第に重くなるロボットは,どんな感覚や脳を搭載し,そしてどのように進化していくべきなのか,明らかにしたい.

将来:ロボット動物園・水族館を作る

2019年に,今あるロボットで動物館や水族館が作れるか?を実践するため,Robo Cafeを作った.

クラウドファンディングでたくさんの人に支援してもらい,短い期間の開催でいい手応えを得ることができた.

これまでもたくさんのロボットを作ってきたが,色々なロボットの開発を通じて,ロボット動物園や水族館を作り,一般の方が楽しみ,そしてロボットを通じて生物とロボットの共生を考えていける空間を提供していきたい.

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【阪大教員によるアクティブラーニング】You Tubeで,ロボット制作,AI設計など学校では習わないプログラミング的思考を鍛える講義を体験できます. 小学生から大人まで分かりやすい授業教材になっています.

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